あいさつ
はじめまして、ACESでソフトウェアエンジニアをしている村上 (@d_murakami_0816) です。
2024年8月からCREとしての活動も開始しました。本記事では僕がなぜCREになったかについて書いていこうと思います。
CREに興味はあるけどどんな感じなのかわからないという方の参考になれば幸いです!
CREとは
Customer Reliability Engineering の略です。2016年にGoogleによって発表されました
顧客との信頼関係の構築をミッションとする職種となっています。
CSE (Customer Success Engineer) と近い部分がある (この後紹介する業務内容にもどちらかというとCSEに近いものがある) のですが、本記事では以降全てCREに呼称を統一して記載します。
僕はどんなエンジニアだったか
僕は前職を含めて5年半ソフトウェアエンジニアとして働いてきました。
前職
- そこそこの規模の新機能を1から実装
- サーバー・フロントの両方に関わる
- 2-3ヶ月のスケジュールを引いてスケジュールに沿って進行
- 問い合わせのあった不具合の調査・対応
現職 (ACES)
- ACES Meetを初期段階から実装
- サーバー・フロントの両方に関わる
- インフラは既存実装を参考にterraformをちょっといじる程度
- 初期は開発予定の機能について、仕様策定・スケジュール管理まで行っていた
- 問い合わせのあった不具合の調査・対応
前職・現職のどちらでもサーバー・フロント (一部インフラ) の実装には関わっていました。
前職で関わっていたサービスは僕が入った時点でリリースから2年ほど経過していましたが、現職ではリリース前の段階から開発に関わっていたので、前職よりも初期の仕様や実装を把握できていたと思います。
また、CREになる前から問い合わせ調査などは一定受け持っていました。
なぜCREになったか
上に書いた通り僕は前職を含めて5年半ソフトウェアエンジニアとして働き、仕様策定から運用まで幅広く関わってきたのですが、以下の理由から将来のキャリアについて悩んでいました。
- 技術そのものに対してあまり興味を持てず頭打ちを感じていた
- 機能を作るより、その機能がユーザーや社内の人にどう役立つかに興味があった
このような話をEMと1on1で話していたところ、CREというものがあるよという話を聞きました。
調べてみたところCREの業務は通常のエンジニアと比べて特にユーザーの活動に寄り添う部分が強く、そこが自分に合っていると思い興味を持つようになりました。
それからしばらくCREのような活動をやりつつ開発を続けていたのですが、今年の7月以降社内で開発の体制変更があり、そのタイミングで正式にCREとして活動していくことになりました。
CREはどんなことをするか
CREという職種が具体的にどのような仕事をしているのか、まだあまり知られていないと思います。そこで、他社のCREがどのような役割を担っているのかを紹介し、それを踏まえて自社ではどんな取り組みをしているのかを紹介しようと思います。
他社のCREはどのような役割を持っているか
2016年のGoogleの発表ではCREの役割について以下のように記載しています。
CRE は、私たちとお客様のパートナーシップを深めることを目的としており、Google のエンジニアが担当します。担当エンジニアはお客様の運用チームと連携し、基幹クラウド アプリケーションの信頼性に関する責任を共有します。
また、国内で早期にCREの組織を立ち上げたMackerelはテックブログの中で以下のように記載しています。 (参考: https://developer.hatenastaff.com/entry/2020/10/30/093000 )
エンジニアがユーザーの動向をくまなく観察し、実際にコミュニケーションすることで、ユーザーの目的を正しく把握し、目的にあった正しい使い方をユーザーに促し、ときにはプロダクトオーナーや開発者としてプロダクト自体の改善も行う。 そしてまた改善されたプロダクトをユーザーに届け、新たなフィードバックを得る。 このサイクルを素早く継続的に回していくことで、ユーザーとプロダクトが健全に関わり合いながら、ユーザーに価値を提供し続けていくことができます。 組織の中のこういった活動に輪郭を持たせ、文化として根付かせ、より加速させることが、CREを職種やチームとして立ち上げる意義なのではないかと考えています。
自社でのCREはどのような役割を持つか
僕は上に挙げた2社の考えを参考にしつつ、自社の状況を踏まえてCREとして以下をやっていこうと考えています。
顧客の現状を把握できるようにする
顧客は何に困っていてサービスを利用しようとしているのか、サービスを使って実現できているのか、実現できていないとしたらどこに原因があるのかを実際の利用データを分析し、誰でも見れる状態に整形します。
顧客の問題を取り除き、やりたいことを実現できるようにする
1で顧客の状況を把握できたらその問題点を解消します。解消するために必要なことは機能開発にとどまらず、既存機能の動線修正やオペレーション変更の提言など幅広く行います。
CS業務を効率化し、顧客に向き合える時間を増やす
弊社ではCS組織は立ち上がったばかりであり、まだまだ効率化できてない業務がたくさんあります。エンジニア視点で自動化できるものは積極的に自動化を進め、CSの工数削減を目指します。
この4-5ヶ月はこの3つの内容についてまずは土台作りから進めていました。その中でもうまくいったこと、いかなかったこと、学びになったことなどいろいろあるのでそれについてはまた次の機会に紹介したいと思います!
どんな人がCREに向いているか
CREとしての活動を初めてすでに4-5ヶ月たちましたが、個人的にはCREをやってよかったなと思っています。
それはなぜだろうと今回の記事を書くにあたって考えていたのですが、以下のような理由があったのではないかなと考えています。
サーバー・フロントを始め、いろんな領域に幅広く関わっていた
CREは顧客にサービスを利用してもらうために様々な施策を考える必要があります。この時に特定の領域に絞らず幅広く関わってきたことが活きているなと感じています。
また、サービスに関して問い合わせを受けることがありますが、このときも複数の領域にまたがって問題を考えることができるのでよかったなと思っています。
複数の分野に知見があると、それらを掛け合わせることでより幅広く改善策を出すことができるのでより活躍の幅が広がるのかなと思いました。
データに向き合って分析することが好きだったから
僕は数字を見るのがとても好きで、大学時代には研究で数値分析をよく行っていました。その経験もあって、ユーザーの利用状況などを分析する作業も楽しく取り組めていると感じています。
僕は元々出てきた数字に対して他の見方をした時にどうなるかを色々考えたくなるタイプだったので、そういった部分も分析をより深めるのに役立っている気がしています。
ある種大学での研究に近い部分もあるので研究が好きだった方は向いているかもしれないです。
自分の関心が機能ではなく、ユーザー (やCS) を支えることに向いていたから
CREになるとやはり自分で機能を開発する機会は減ります。コードを書く機会もそれに伴って減ったと思います。
もともとコードを書くことが好きだったので、その点では少し寂しさを感じる部分もありました。しかし、その一方で、さまざまな改善対応を行う中で感謝される機会が増えたことはとても嬉しかったです。
CREは、誰かの役に立てたと実感しやすい仕事だと思います。なので「誰かの役に立ちたい」という気持ちがある人には、とても向いている職種だと思います。
個人の感想なので人によっては違う感じ方をする方もいるかもしれませんが、もしこれを見て向いているかもと思った方はCREとしてのキャリアを考えてみてもいいと思います。
最後に
本記事では僕がソフトウェアエンジニアからCREになったきっかけなどを通じてどのような方がCREに向いているのかについて書いてみました。
CREはまだ人数が少なく未知の部分が多い職種ですが、少しでも興味を持った方は、ぜひ挑戦してみてください!
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